重症筋無力症の鍼灸治療について、重症筋無力症と東洋医学鍼灸(針灸)治療。  鍼灸適応症

重症筋無力症と鍼灸(針灸)治療

重症筋無力症とは

重症筋無力症は、Myasthenia Gravis(ミアステニア・グラービス)と言い、二つの頭文字からMGと略称されています。重症筋無力症は、神経と筋肉の接合部分の異常のために、筋力が弱まり疲れやすく、ひとつの筋肉をくり返し使うと急速に力が落ちて、動かなくなり全身的な脱力が起こる病気です。 筋力低下の起こる部分は自分の意思で動かすことのできる筋肉(随意筋)のみで、心臓や内臓などの平滑筋の力が弱くなることはありません。 。
西洋医学の治療法は発症年齢、重症度、胸腺異常の有無により治療法が選択されます。コリンエステラーゼ阻害薬、胸腺摘出手術、ステロイド剤投与、免疫抑制剤投与、血液浄化療法などがあります。

眼筋型重症筋無力症
最初の症状は“眼”に現れることが多く「瞼が下がって開かない(眼瞼下垂)」「物が二重に見える(複視)」「左右の目の焦点が合わない(斜視)」などが現れたりします。重症筋無力症には、このような眼の症状のみにとどまるタイプがあり、これを眼筋型と言います。 「目つきが悪い」と言われたり、「疲れかなぁ」とか「気のせい?」と過ごしているうちに症状がはっきり出てきます。

球麻痺型重症筋無力症
眼の症状が現れたあと「しゃべりにくい・鼻声になる(構音障害)」「かたい食べ物が噛めない。味噌汁が飲み込みにくい(嚥下障害)」などの球麻痺症状が現れる場合があります。これを球麻痺型(球症状)と言います。球は延髄球のことで、脳の最下部にあり、脊髄の上に続く部分。太く膨れているので球ともいう。口や舌などの運動を司どる神経が集まっている)球麻痺症状のために、せっかくの御馳走が食べられなくて、つらい思いをした人は少なくありません。

全身型重症筋無力症
眼の症状と球麻痺症状が現れ、さらに症状が全身に広がってくると、手足の筋肉の力が弱くなって「持ったものを落とす」「字が書けなくなる」「洗濯物が干せない」「顔を洗えない」「立てない」「歩けない」など、日常生活が困難になります。これらの症状を全身型と言います。  全身型では、発病初期の頃は急激に症状が悪化し、呼吸筋の麻痺を起こし呼吸困難になることがあります。これをクリーゼ(急性増悪)と呼んでいます。クリーゼが起こる前に、できるだけ早く医師にかかる必要があります。  日内変動があり、日により時間により症状の変動が現われます。そのために、時には「なまけ病」と誤解されることもあります

重症筋無力症と鍼灸(針灸)治療

当院では中国伝統医学の理論に基づいて治療を行います。難病の鍼灸治療に対して積極的に研究し、良い効果を上げています。一般的に鍼灸治療は、眼筋型の重症筋無力症に対して最も効果があります。そのほか、初期の症状の比較的軽い重症筋無力症は鍼灸治療によりある程度の症状改善と進行を遅らせることは可能ですが、薬物治療も併用すればよりよい効果が得られます。鍼灸では全身型の重症筋無力症を完治することや症状をなくすのは難しいものの、多くの効果的な対症療法が工夫されています。電気鍼は弱い電流を流してツボを刺激することにより骨格筋肉の無力化や萎縮を遅らせたりしていきます。鍼灸は末梢循環や脳内の血流をよくすることになり、症状改善につながります。重症筋無力症の患者さんの自然治癒力を引き出すのも一つの目的です。現時点では重症筋無力症の原因がはっきりしていませんので、根本的治療はなく、鍼灸治療も対症療法ということになります。中国国内の鍼灸界や世界各地の鍼灸界においてもまだ鍼灸治療により全身型重症筋無力症の症状がなくなったり完治することはありません。しかし、重症筋無力症はまだ完治する治療法がない現在では、針灸で頑張ってみる価値があると思います。