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脳卒中・脳梗塞と鍼灸

 
脳卒中とは
脳卒中とは出血性脳血管障害と虚血性脳血管障害の総称です。中国では「中風」とも呼んでいます。
@出血性脳血管障害
脳出血 ・ くも膜下出血があります。
くも膜下出血は、脳を覆っている膜と脳の間にある動脈にできたこぶ(動脈瘤)が破れて出血するものです。
脳内出血は脳内に分布する細・小動脈が破れて出血し、神経細胞を破壊するものです。
A虚血性脳血管障害
脳梗塞 ・ 一過性脳虚血発作があります。
脳梗塞は、動脈硬化等のために動脈が狭くなったり、あるいは動脈や心臓内にできた血の塊(血塊)が、脳の動脈に流れ込み、詰まってしまうために、酸素やブドウ糖の供給が不足して神経細胞の壊死をきたすものです。
一過性脳虚血は脳の細小動脈が一過性に詰まったり、細くなって血液の流れが減少して起きる脳卒中の一種で、たいてい数分から数時間で感覚が戻り症状は消失します。

脳卒中・脳梗塞の危険因子
高血圧
高血圧は脳卒中だけでなく狭心症や心筋梗塞など、様々な原因となります。高血圧が続くと小動脈瘤ができたり、動脈硬化を引き起こし、血栓ができやすくなります。
コレステロール
コレステロールは動物の肉や脂肪に含まれ、摂りすぎると高コレステロール血症になり、動脈硬化を引き起こします。
心疾患
心臓弁膜症や心房細動などは、心臓の血流をよどませ、血液が固まりやすくなって血栓ができ、脳梗塞の原因になります。
ストレス
ストレスがたまったり、過労気味になりやすく、高血圧、動脈硬化を引き起こしやすいといわれています。

症状と徴候
脳梗塞(脳卒中全体の約60〜65%)
起こり方:発症して数十分から数時間は症状が進行する事が多い
右または左の半身(顔、手足)に力が入らない(片マヒ)。
半身の感覚がおかしい(鈍い)、痺れる。
左右どちらかの手足に力が入らない(運動神経マヒ)。
言葉がしゃべりにくい(構音障害)、言葉がででこない(運動失語)、他人の言うことがわからない(感覚失語)。
視野の半分(右または左)が見えない(同名半盲)。
通常頭痛はない。

くも膜下出血(脳卒中の約15%)
起こり方:突然、殴られたような頭痛で発症。
頭痛が主症状で嘔吐を伴い、重症例では急速に意識消失。
突然の頭痛だけのこともあり要注意。
明らかな局所神経症状(片マヒなど)を伴わないこともしばしばある。

中国針灸と脳卒中・脳梗塞
脳卒中については、約二千年前の中国で「黄帝内経」という古典医学書の中にも記載されました。脳卒中を“撃仆偏枯(げきふヘんこ)”と呼んでいます。撃仆とは突然の卒倒、偏枯は半身不随のことです。脳卒中になることを「中風」と言います。脳卒中に対する多くの治療法を行ってきました。「黄帝内経」の中にも中風や偏枯に対する非常に高度な鍼灸の治療法が書かれていてます。鍼には筋肉のこりをほぐす強い作用や、血液や体液の循環を良くする効果を持つことも科学的に証明されています。最近では鍼に低周波電流を通した時に起こる筋肉の運動を利用して麻痺筋の力を強める治療も行われています。

中国では脳卒中の針灸治療は針灸適応症の中で最も多い疾患の一つです。リハビリの最初の段階から針灸治療を積極的に行う病院もあります。天津中医大学の醒脳開竅法は(醒脳開竅法(せいのうかいきょうほう)とは、脳血管障害に対する予防と治療を目的とした特殊な針治療の方法)かなり高い効果が得られたと発表されました。西洋医学との組み合わせにより相乗効果が認められています。特に脳卒中による後遺症は早いうちに鍼灸治療した方が効果が出やすいとされています。

醒脳開竅法
醒脳開竅法(せいのうかいきょうほう)は脳卒中の急性期に発生する意識障害と後遺症に対する特殊針治療法である。この治療法は中国・天津中医学院附属第一病院・院長石学敏教授によってが近年発表された。現代中国では最も有名な脳卒中の針灸治療法の一つである。石学敏教授は十何年もかけて実験研究と臨床を繰り返して確定されたものだ。4005人の患者の臨床例の経過をみると、この治療法で脳卒中に対して、著しい治療効果が出た。しかも、その治療効果は明らかに伝統的な針治療法と薬物療法より優れることも分かった。いまこの「醒脳開竅法」という治療法は理論と臨床とともに中国の針灸界の脳卒中治療の根本になっている。
「醒脳開竅法」の基本的な内容は以下にある。
@辨証分類:中国医学の考えでは脳卒中の辨証分類は「閉証」と「脱証」がある。主要な病理メカニズムは「閉証」ではおおく風火が内を閉鎖し、痰熱が詰まって起ったものである。急に昏倒し、人事不省となる。身体が強く硬直している。脈は滑脈。「脱証」は真陰が弱くなって、元陽が脱け出しそうになり、陰陽が離れかけている。急に昏倒し、目が閉じて口を開き、脈が細くて絶えようとしてる。
A治療法則:「閉証」の場合は熱を清めし、風を抑える。「脱証」の場合陰陽バランスを整える。
B陰経の経穴主とする。主穴:水溝、内関、三陰交。補助穴:極泉、尺沢、委中、合谷
針の施術は「瀉」を主とするといわれていて、まず双側の「内関」に1.0−1.5寸を刺して、旋撚法で瀉法を行う。施術時間は1分間。続いて「水溝」というツボに刺し、雀啄法で目に涙が出そうになるまで。三陰交は脛骨の后縁に沿って、針の先は後ろに向かって斜めに皮膚と45°に刺す。深さは1.0−1.5寸。旋撚しながら補法で行う。極泉は0.5−1.0の寸に入って、瀉法で旋撚する。委中にうつ伏せして少し曲がって穴を取って、針は1.0−1.5寸が、瀉法で旋撚する。合谷は針が二間に向けて刺す。瀉法で旋撚する。


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