三叉神経痛の針灸治療例と考察
三叉神経痛の臨床例
三叉神経痛の鍼灸治療 三叉神経痛の症例
このページは三叉神経痛の鍼灸治療の臨床例です。三叉神経痛の鍼灸治療の効果は、発症時期や痛みの程度及び個人差によりますが、実際にやってみないわからないところがあります。
三叉神経痛鍼灸治療の統計
平成15年9月から同17年11月まで当院に治療に訪れた三叉神経痛の患者のうち、経過観察を見ることができた46名の治療効果についてみてみます。痛みがなくなって再発しないを100%とすると、
①治癒:(100~95%以上回復)・・・17名(36%)
②非常に有効:痛みがまだ少し残っているが薬は服用しなくて済む・・・15名(37%)
③改善あり:痛みが和らげるが、薬は減量した(70%~50%)・・・8名(17%)
④芳しい効果なし:全く痛みが変わらない・・・6名(13%)
三叉神経痛に対する当院鍼灸治療の一部の症例
- S・Yさん 男性60歳 三叉神経痛。初診:平成16年4月 主訴;歯の奥の電気が走るような痛み左下奥歯から唇の下まで突発的に痛みが走る。1回の治療で痛みが8~9割軽減、3回目で消失し、治療を終える。半年後同じところが痛み始め内服薬を半年間服用するが、あまり効かずに平成17年3月再度来院。その際薬の副作用で脚が思うように動かせない時があり、顔色も悪くなっていた。今回も1回の治療で9割方治まり、薬の量も1日2錠から1錠に減らすことができた。2回目でほぼ消失し、さらに薬を1日半錠に減らす。半年間も服用を続けていたので急に止めるのを控え、痛みの具合を見ながら少しづつ減らすようにした。
- H・Yさん 女性41歳 三叉神経痛。初診:平成15年10月 主訴:ほっぺに電流が通ったような痛み 6年前より洗顔時、軽い接触刺激にもかかわらず頬に痛みが走るようになる。1回目で8割がた消失し、4回で治療を終え、その後再発はないようである。
- K・Iさん 女性39歳 初診:平成16年4月 主訴:右半分の顔の激しい痛み 突発的に起こる激痛に6年間悩まされる。痛みのため仕事も手につかなくなり、そうなると治療に訪れる。1回の治療で9割がた治まりるがしばらくして症状が激しくなると来院する。安定しているときは4~5ヶ月出ないが、冬場は多いときで月に1~2度鍼灸治療を受けにくる。
- S・Yさん 女性60歳 三叉神経痛 初診:平成16年6月 主訴:右ⅱ・ⅲ枝の痛み6年前より痛み出し、痛みのため薬を手放せない、徐々に量が増えてしまう。鍼灸治療を受けはじめ少しづつ改善され、薬の量も治療前は1日600mgだったが治療1ヵ月後には400mg、3ヵ月後には200mgに減り、完治はしないものの症状と薬の量がほぼ安定するようになる。気候特に気温により左右され、寒い日は痛みが強くなるが、毎回の鍼治療で症状はその都度改善する。
- M・Hさん 女性76歳 三叉神経痛 初診:平成17年2月 主訴:右奥歯痛 初発は40年前、歯の治療がきっかけでそれ以来痛みが出るという。本人は長年の痛みに慣れてしまったというかしょうがなく思っているらしく、軽い気持ちで来院。1回目は鍼のみ、2回目は温灸もあわせ、温灸が本人に合っているようで、痛みが和らぐ。完全に症状を出なくすることは難しいが、酷いときに比べると症状はずいぶん楽になり、時たま治療に訪れる。
- H・Nさん 女性53歳 三叉神経痛 初診:平成17年2月 主訴:時々起こる電気ショック様の痛み1年前、右鼻の横が痛くなり、一時治まったが今回はさらに右口上まで痛みが広がる。2回の鍼灸治療で治癒。
- T・Eさん 女性49歳 三叉神経痛。 初診:平成17年3月 主訴:口内の痛み、麻痺部の無感覚 親知らずの抜歯手術後に右下唇・口内の感覚麻痺、疼痛が起こる。回を追うごとに感覚麻痺の範囲が小さくなっていき、疼痛もあまり気にならない程度になる。この例以外にも歯の治療がきっかけで三叉神経痛が引き起こされる方が結構多く、三叉神経の問題とは思わずずっと歯の治療を受けているケースもめずらしくありません。
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K・Sさん 女性58歳 三叉神経痛。 初診:平成15年9月 主訴:右顔面(舌、歯茎、唇など)に腫れた感じとビリビリ感がある 平成15年5月腫瘍手術し、術後三叉神経損傷による三叉神経ⅱ・ⅲ枝の分布域(主に唇と舌)に持続的な痛み・しびれがあり、顔にガムテープを貼っているような感覚異常もある。はじめの1年は週2回のペースで通院し、徐々に良くなっていき、本人いわく「だいぶ楽になった」。その後は週1回の間隔で現在も治療中。劇的な改善は見られないものの、違和感の範囲がずいぶんと狭まり、程度も軽くなって喜んでいる。
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K・Kさん 男性70歳 三叉神経痛。初診:平成17年10月 主訴:左顔面、左目奥と鼻の横の痛み、ひどいときは左顔全体に広がる 三年前に脳動脈瘤が見つかり、手術した際の後遺症で症状が出てしまった。薬を服用、神経ブロックを試みるが芳しい効果はなし。週に2回のペースで通い、まだ完全には取れていないが、徐々に痛みが和らいできている。
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I・Yさん 女性81歳 三叉神経痛。初診:平成17年11月 主訴:口の中に激痛が走る(右側) 15年前より顔の右半分が痛くなり、次第に口の中に激痛が走るようになる。テグレトールを飲み続けるも効果は持続せず現在に至る。痛みの為思い通りに口を動かす事ができず、うまく喋れない。2回の治療で痛みが半減し、喋りも聞き取れるようになる。普段はあまり寝られないが治療中は毎回眠ってしまう。
三叉神経痛の治療現状
三叉神経痛は本人にしかわからないその痛さが激烈であるにもかかわらず、直接命にかかわらないためかまだ世間での認知度はそれほど高くないですが、実際に三叉神経痛の患者さんは多いです。病院では三叉神経痛に対して病院では通常は内服薬を処方し、それでも治まらない場合は患者は神経ブロックを受けることになります。痛みを感じるルートを強制的に遮断し、実際にある痛みを感じさせないようにするわけですが、数ヶ月~数年の間に再発するケースが多く、その場合の施術が前回と同じ神経ブロックだと同様の効果を期待できず、持続も短くなります。そうして最初は三叉神経の末梢枝から始められたものが、神経破壊剤、三叉神経節ブロックと進んでゆきますが、これは技術的に難しく、知覚不全・角膜麻痺などの合併症を起こす危険性があります。最近では三叉神経痛の治療は比較的効果があるとされるガンマナイフによる手術もあります。
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