パーキンソン病

パーキンソン病の鍼灸治療について

パーキンソン病と鍼灸

東京都世田谷区の治療院
当鍼灸院には大勢のパーキンソン病の患者様が日本各地から通院されています。鍼灸本場の中国や台湾出身の患者様も治療にきています。鍼灸の適応症の中で最も得意分野の一つです。難病の鍼灸治療に力を入れております。パーキンソン病など脳疾患などの難病は高度な鍼灸専門知識と熟練した手技が必要となります。院長が長期間の臨床経験と研究で生みだした「パーキンソン病のため頭皮鍼」の治療を行っています。また、中国最新の難病に対する鍼治療法を研究し、積極的に取り入れ、それを日本鍼灸と融合させ、効果をあげています。当院は東洋医学と中医学(中国の伝統医学)の理論に基づいて、パーキンソン病の方にとって常に一番良い治療をご提供いたします。定期的に鍼灸治療を受けることにより、症状の進行や急に悪化することを防ぐことが多いです。鍼灸治療のことなら何でも気軽にご相談ください。

パーキンソン病の鍼灸治療の現状

パーキンソン病と鍼灸
中国と日本でいままで多くのパーキンソン病の臨床例をまとめてみると、パーキンソン病は鍼灸で完治することはできないものの、症状の改善と進行を遅らせることは可能です。また、治療は西洋医学との組み合わせにより相乗効果が認められています。中国国内の国立針灸研究所で頭皮針を使って、パーキンソン病の患者に治療の研究が行われました。結果は、鍼灸治療は患者の脳の血液循環を改善しました。また、鍼灸はパーキンソン病に原因がある黒質によい刺激を与えて、ドーパミンの分泌を促進し、患者のドーパミンの分泌量を数倍にしたことを明らかにしました。パーキンソン病による振戦、筋固縮、動作緩慢、姿勢反射障害など障害の中で特に筋固縮と無動障害に対して鍼灸治療の有効性が高いです。病気の進行により転ぶ事が多くなり、転ぶと大けがするのでそれが怖いといわれています。パーキンソン病で転ぶのは筋固縮によるものが多いといわれています。臨床では鍼灸で緊張した筋肉を和らげると同時に、身体のアンバランスによる痛みを鍼灸で改善できます。鍼灸治療と同時に筋力強化を図るため他動運動、関節の拘縮を予防するための可動域運動を行うことも大切です。パーキンソン病は発病過程において、自律神経機能が変化を起こすため、鍼灸で自律神経を整えることや免疫力をつけることによって、患者の自然治癒力を引き出すのも一つの目的です。まだ完治する治療法がない現在では針灸(鍼灸)で頑張ってみる価値があると思います。

鍼灸治療は以下の症状改善が見られます

(パーキンソン病に対して鍼灸治療は個人差や症状がよりますので、すべての方に効果が表れるものではありません)

  • 歩行困難の改善、特に早期や症状が軽い方に効果が得られやすい。
  • 西洋医学の薬などの副作用を軽減する、薬の効く時間が長くなった。
  • 振戦の症状が軽減した。
  • 筋肉の緊張による肩・背中の凝りが解消された。
  • パーキンソン病による自律神経失調症が改善された。
  • 姿勢のアンバランスによる腰痛や足の痺れなどが解消した。
  • 足のむくみが緩和された。
  • パーキンソン病によるうつ症状が軽減した。
  • 家族と一緒にでないと来院できなかったが、一人で通院できるようになった。
  • パーキンソン病のかたQOL(生活の質)が高まった。

通院されているパーキンソン病の方の代表例

  • 座っていると自然に身体が傾くようになった。
  • 人より遅れて歩くようになる、まばたきの回数が減る
  • 手足がふるえる。字を書くスピードが遅くなり、小さな字になる。
  • 体の姿勢を変えようとすることがスムーズにできなくなった。
  • 筋肉がこわばって、手や足の動きからスムーズさが失われ、固く縮んだようになる。
  • 表情が乏しくなった。笑顔がめったに見られない。
  • 声がなかなかで出しにくいし、出ても小さい。
  • つまずきやすい。転びやすい。足をひきずる。
  • 背中と肩が異常に凝る。腰痛や足が痛くなる。
  • 便秘、排尿障害、立ちくらみ、発汗異常といった自律神経症状がある。
  • 気持ちが落ち込む、うつ症状もたまにでる。
  • 人と会ったり、外出するのがいやになった。疲れやすい

中国でのパーキンソン病の鍼灸治療

現代中国ではパーキンソン病を針灸治療したのは1955年が最初です。しかし、パーキンソン病の鍼灸治療はその後に試みる人はあまりいなかったのです。70年代の中期になり、上海医科大学附属華山病院が頭部や背部などのツボに刺針してある程度効果を上げてから、徐々に針灸界が注目するようになりました。最近十年はパーキンソン病の針灸治療に関するものが増え、それぞれの治療法ができました。頭のツボへの頭針により脳血流が増加し、脳内の末梢循環を改善できることがわかりました。例えば南京中薬大学王玲玲氏、何崇趙氏らによる「パーキンソン病に対する、頭針による脳血流へのよい影響」の研究発表されました。それによりさらに高いレベルで針灸治療が行われる。中国と日本でいままで多くの臨床例をまとめてみると、鍼灸で完治することはできないものの、ある程度症状の改善と進行を遅らせることは可能です。また、西洋医学との組み合わせにより相乗効果が認められています。

パーキンソン病の鍼灸治療臨床例と考察

過去のパーキンソン病の臨床例:
1998~2013年までの15年間、大勢のパーキンソン病の鍼治療をしてきました。当鍼灸院に通院でいたパーキンソン病の患者を統計してみました。男性6割、女性4割です。、中に若年性 パーキンソン・パーキンソン症候群2割がいます。年令39~78才。パーキンソン病と診断されて1ヶ月から最長10年です。3月~1年の期間に一週間一回~二回ベースで鍼灸治療をしました。中に完治する方はいませんが、進行を遅らせたり、主な症状を改善したりしました。有効率は85%以上です。薬を完全に飲まなくても症状が進まずに済んでいる例は15%前後、薬の量を減らしても症状が悪化せずに済んでいる例は約30%前後、残りの方は薬は併用しているが針灸治療を始めて動作がスムーズになった、または薬が切れても症状がそれほど出ないという例は30%となっています。

H.Hさん 68歳女性 
平成9年手足に力が入らなくなり、同11年左側の手足にふるえが出始め、翌年には右側もふるえだした。病院でパーキンソン病と診断され内服薬を処方される。平成12年11月初診とき、「パーキンソン病」と言われ相当ショックを受けたらしく落ち込んだ表情でやってきた。睡眠は目覚めやすく、左側の手足にむくみが出る。なるべく薬を飲みたくないという本人の強い希望があり、週2回のペースで通院する。鍼灸治療が合っているようで、すぐに睡眠も取れるようになり、むくみも循環がよくなることにより改善された。「静止時は震度3くらい揺れている」というがそれでもパーキンソン病の薬を服用しないで過ごせる方を選択している。薬を飲めば諸症状が抑えられるが、逆に症状を少し我慢することで薬を飲まないでいられるという好例を見させてもらっている。平成17年5月現在、週1度来院しているが最近は初診の頃に比べ精神的にかなり落ち着き「2kg体重が増えた」と言っており、見た目も明るく元気である。

I.Wさん 67歳女性 
週に1度家族の方の付き添いで遠方から車で通って来られる。10年ほど前から「手先の細かな仕事ができなくなってきた」という。平成9年に「パーキンソン病」と診断された。一番辛いのは薬が切れるとふるえてしまい、足がつりそうになること。平成14年10月の初診とき、姿勢は前傾気味で歩き出すのに時間を要する。また右でん部に疼痛を訴えるときがある。以前に右大腿骨を骨折したことがあり、それが原因ではないかと家族の人が心配していたが、直接的にはやはりパーキンソンの症状である筋固縮が古傷の痛みを増強していると考えられる。ただでさえ日常動作に不自由している上に、痛みまで出てしまうのは大変である。この場合は鍼灸で痛みを緩和または除去するように併せて治療して、パーキンソン病の患者のQOLをが少しでも向上できるようなアプローチをとっていく。

K.Mさん 65歳男性 
平成7年6月、最初は本を持つ手が震えだし、翌年3月歩行時左足を引きずるようになり、さらに左上腕部の固縮も出始める。平成8年にパーキンソン病と診断された。翌年5月よりパーキンソン病の薬l-ドーパ製剤を1日2錠飲み始めるが、症状は緩やかに進行し、徐々に薬の種類(ドーパミンアゴニスト、抗コリン薬)と量(4錠、7錠/日)が増えていく。初診は同15年2月で所見はふるえ・固縮・すくみ足・動作緩慢など。鍼治療後は筋肉がほぐれ動きやすくなる。日によって体調の変動があり、良い時は動作もスムーズで一人で歩くことができ、表情も柔らかい。薬との相互作用もあるが、本人は「症状は平衡状態」と言っている。性格的に几帳面なところがあるが、コンスタントに週1回の鍼灸治療を受け、今のところ転ぶこともなく調子はいいようである。

I.Tさん 66歳女性
平成4年より右手足のふるえが始まり、パーキンソン病との診断を受ける。初診時、特に脚のふるえにより歩きにくくなるのが辛い。ほかの症状は目覚めやすい・たまにめまいがする・頭重感・疲れやすい・便秘気味、等がある。鍼灸治療としては、自律神経や循環を調整してこれらの症状を軽減させ、そして筋の固縮を和らげて歩きやすくすることを主眼に行う。薬物療法は個人差もあるが、服用年数が長くなると効く時間が短くなったり、効く程度がかるくなったり、あるいは10年以上だと効きが悪くなったりすることがある。その場合に鍼灸と組み合わせて治療を継続すれば、薬の量を維持できたり、効きを持続させたりなど、比較的よい状態を保つことができる。この方も薬が切れると振戦が強くなるが、パーキンソン病の薬が効いている間は落ち着いており、時間はかかるが自分ひとりで大体のことはできている。

K.Kさん 57歳男性 
平成11年5月頃より左の手足にふるえが出始め、翌年9月からは右側にもふるえが見られるようになった。平成12年10月に病院でパーキンソン病との診断された。平成15年6月の初診時、歩行はそれほど問題ないが、カルテの記入文字は小字、口調も小声で単調となっておりパーキンソン病特有の症状を呈している。仕事の方はまだまだ現役で海外出張も頻繁にあり、会議でのスピーチ時などは緊張してふるえがひどくなると言う。出張で治療の間隔が開くと疲れもたまり症状が増強するが鍼灸治療を受けると「本当に身体が軽くなる」ようで毎週1回通っている。

パーキンソン病の鍼灸治療に考察

パーキンソン病の鍼灸治療に来られるのは30~40代の働き盛りの方から70~80代の方までいますが、どの方も頭脳・意識レベルは一般の方と何変わりなくはっきりしているのに、自分自身の身体を思うように動かすことができない、または勝手に動いてしまうという大変辛い思いをしておられます。パーキンソン病は症状が進行すると一人で行動できないために家族に対して申し訳なく思って自分を責めたりする時もあると聞きます。パーキンソン病の治療法が確立しておらず薬物療法が主流でそれらと一生付き合うことになる、というのが現時点での実際ですが、完治することが難しくても今現在の状態を少しでも維持、継続させ前向きに生活できるようにする手段があれば、積極的に活用した方がいいと思います。多くの症例からみるとパーキンソン病の鍼灸治療は、完治するのは難しいものの、総じて良い効果をもたらすことができると思います。パーキンソン病の主症状以外の起立性低血圧(めまい・立ちくらみ)や便秘などの症状に対しても西洋薬をさらに飲んで身体の負担を余計に増やすこともなく、また副作用の心配もなく鍼灸で治療することができます。

パーキンソン病とは

パーキンソンの原因
パーキンソン病は、1817年James Parkinsonによってこの病気が始めて記載されてました。1892年Charcotはこの病気をパーキンソン病と名付けました。中年以降になって中脳の黒質と大脳の基底核と呼ばれる部分の神経細胞の変性によって起こる疾患です。主な症状は安静時の振戦 ・ 筋の固縮 ・ 動作緩慢 ・ 姿勢保持障害などあります。
病因
脳の中の黒質という部分の神経細胞の数が減ることが原因です。この神経細胞は、ドーパミンという神経伝達物質を線条体という部分に送っています。また線条体にはアセチルコリンという神経伝達物質もあり、ドーパミンとアセチルコリンをもった細胞が線条体でバランスよく働き、筋肉に運動の指令を出しています。黒質の神経細胞の減少により、線条体に十分にドーパミンを送れなくなり、その結果、ドーパミンとアセチルコリンのバランスが崩れ、これがパーキンソン病の色々な症状の原因と考えられています。また、この細胞の中に多数のlewy小体が出現してきます。病の病理は黒質の変性ですが、なぜ変性するか判っていません。西洋医学ではドーパミンを使ってパーキンソン病の症状をある程度改善できますが、進行を止めることはできません。
パーキンソン病の症状

発病率
は年々増えてきています。いまおよそ2,000人に1人(65歳以上では500人に1人)の方がパーキンソン病に罹るという発病率の高い病気で、患者さんは年をとるに従い増える傾向にあります。中年以降に発病する患者数の多い病気です。パーキンソン病は、20代、30代に発病する若年性パーキンソニズムを除いて、普通は40~50歳以降に発病し、ゆっくりと進行する神経変性疾患です。

パーキンソン病の主な症状と原因

パーキンソン病の症状

パーキンソン病の振戦
(一)振戦
片方の手・指で始まって、だんだん拡がっていきます。 静かにしているときに起こり、丸薬を丸めるような指をすりあわせるような動きをします。精神的に緊張すると振戦が強くなります。動作時には軽くなります。

(二)無動・寡動
日常の動作が遅くなります。歩いたり・服を着たり・会話をしたり・寝返りをしたりなどの日常動作に支障をきたします。歩行時の第一歩を踏み出すのが困難になります。仮面様顔貌をしめします。

パーキンソン病の無動

(三)固縮
関節を曲げさせようとすると、筋の緊張が強くて歯車のように(あるいは鉛管のように)ガクガクと抵抗を感じます。

(四)姿勢異常
立っているときに押されても、元に戻ろうという反応が鈍くなり、まっすぐに倒れたりします。また、押されたりしたときや・坂道などでは止まれなくなって、なにかにぶつかるまで突進する突進歩行もみられます。

パーキンソン病の姿勢異常

(五)自律神経症状
流えん(よだれ)、嚥下障害、便秘脂顔、発汗異常、頻尿 、起立性低血圧、手足の循環障害と現れることがあります。

(六)精神症状
うつ病、知能低下、幻覚がでてくることがあります。20-60%に痴呆が現れます。

パーキンソン病の日常生活注意点

(一)適度な運動や体操で身体をほぐす

パーキンソン病治療
息が切れるような激しい運動は交感神経を興奮させることがありますので、軽い運動で心地よいと感じる程度はいいです。近所を散歩したり音楽にあわせて簡単な体操をしたりしてよいと思います。

(二)気分転換を
不快な気分を転換する方法を考えましょう。部屋の模様を変えたり、趣味を変えてみたり、好きな音楽を鑑賞するなど。

(三)パーキンソン病の入浴法
入浴することによって、身体を温めて、血流がよくなって、疲労感や筋肉のこわばりもある程度が軽減します。暑いお湯を避けて、37度~38度くらいのぬるめの風呂にのんびりとつかるようにしましょう。

(四)便通をよくする パーキンソン病の人の大半は便秘がちで、自律神経のバランスが崩れやすいので、なるべくリラックスして、緊張を和らげ、胃腸の動きをよくします。また、食物繊維が豊富な食事を取りましょう。

パーキンソン病の

(五)転ばない工夫を
パーキンソン病は進行するにしたがって、転ぶ事が最も怖くなると考えられますが、原因はパーキンソン病の主な症状の一つ「筋の固縮」によるものと考えられます。転ぶと大けがをすることが多いので、室内に掴みやすい手すりを作ったり、なるべく段差をなくして転ばない工夫しましょう。外出するときは時間に余裕を持って出かけましょう。

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