緑内障、視神経炎、網膜症の鍼灸治療
緑内障、視神経炎、網膜症◆緑内障、眼精疲労、視神経炎、網膜症と鍼灸治療緑内障、網膜症、眼精疲労などに、鍼灸治療の有効性が注目されています。急性緑内障のように、西洋医学の投薬が必要な疾患もありますが、西洋医学と鍼灸治療を併用することによって、症状の改善が期待できる目の疾患は意外に多いです。 目の疾患と鍼灸治療は、一見、あまり縁がないように思えますが、当院に鍼灸治療のために来院する患者さんの中でも、目のトラブルを訴えて来る人は、腰痛と肩こりに次いで多いです。 目のトラブルとひと口に言っても、その症状はさまざまだが、加齢にともなって起こる目の疾患でハリや灸による治療が適合するのは、緑内障、白内障、ドライアイ、網膜症、眼精疲労、視神経炎などです。 「緑内障で来院する患者さんでは、開放隅角緑内障と正常眼圧緑内障の方がほとんどです。東洋医学では、緑内障という病名はありませんが、古代中国医学書『鍼灸大成』『針灸甲乙経』などの書物の中に、眼科の針灸取穴が記載されており、緑内障の症状と治療法が含まれていると思われます。現代の緑内障の鍼灸治療は、1956年に報告があり、鍼灸治療によってある程度、眼圧を低下させられることが観察されています。この病気についての原理研究はあまり報告されていませんが、中国中医大学で原発性緑内障患者の刺鍼前後の眼球の血流変化を調べた結果、刺鍼は毛様体血管に対して大きな調整作用があることがわかっています。おそらくその作用によって視神経乳頭の虚血など微少な循環障害を解消させ、目の機能障害を回復させるからでしょう ただ、同じ緑内障でも、急性緑内障は要注意。 急性緑内障の典型的な症状は、暗いところで瞳が大きくなった時に突然目が痛み、電灯のまわりに虹がかかったようになる。強い頭痛がして嘔吐することもある。瞳孔が開き、目が赤くなり、「見えない」という症状を訴えた場合は、ただちに眼科に行って眼圧を下げる薬を点滴する処置をとらなければならない。そのまま放置しておくと、1週間で50%以上の確率で失明し、治ったとしても視野が欠けることになります。薬を点滴すれば症状はすぐに治まますので、右のような症状が出た場合は、救急眼科で早急に手当てをすることが必要です。 ◆ 眼科の鍼針灸治療例と治療法 治療例A 53歳男性 デザイナー(初診:2000年8月) 6年前に糖尿病と診断され、2年前に軽い脳梗塞。都内の大学病院で糖尿病による視神経炎と診断される。視力低下、色が識別しにくいとの症状を訴える。 治療:四診の後、目の治療とともに糖尿病のハリ治療も同時に行う。まず、背中の消化系のツボに対してハリと温灸療法を行う。次に目のまわりにある目の特効のツボ「清明」「救後」などを中心にハリ治療を行う。 経過:週2回のペースで通院し、3ヶ月後、眼科で調べたところ、視力が0.3以上あがり、細かい色も識別できるようになってきた。デザイナーの仕事にもほとんど支障がないくらい回復したとのこと。現在も健康管理のため、2週間に1回のペースで通院。 考察:鍼灸治療により、視神経炎の症状が抑えられて、神経の働きが活発になったと考えられる。また、鍼灸で内分泌系や自律神経の調整、ホルモン(インシュリン)のバランスを整えられたと思う。 治療例B 55歳女性 主婦(初診:2001年2月) 総合病院で緑内障と診断され、2ヶ月前から目にモヤが出る、右目で上を見ると下が見えない(視野が欠損)などの症状がある。 治療:四診と簡単な視野テストの後、眼鍼療法を中心に行う。 経過:1週間に1回のペースで通院。4ヶ月後、視野は大きく変わらないが、視力が0.2くらいあがる。現在も総合病院の治療を受けながら通院中。 考察:鍼灸治療により眼圧を下降させ、安定させることによって、視神経の障害を最小限にして、視野狭窄の進行を遅らせることはいくらか可能性がある。鍼灸は副作用がないということで受けてみるが価値があると思う。 ◆ 西洋医学との組み合わせで相乗効果 目の疾患に対する鍼灸治療はまだ完成されているとはいえませんが、「急性緑内障以外の眼科疾患は、西洋医学との組み合わせにより相乗効果が認められており、症状の改善と進行を遅らせることは可能です。 では、実際に鍼灸でどのような治療を行うのか、当院の具体的な治療例とともに見てみよう。 東洋医学は、ひとつの症状だけでなく、からだの全体を見て患者の体質を知り、診断を下す医学であり、そのためにまず「四診」(望診、聞診、問診、切診)による診察を行います。 四診とは 望診 舌の状態や全身の皮膚の状態でからだ全体と病気の部位を目で見て推察していく診断法。 聞診 患者のしゃべり方、声の明瞭さ、問いかけに対する応答、体臭や息のにおい、排泄物のにおいなど、聴覚や嗅覚による情報を収集する診断法。 問診 東洋医学の理論に沿って、患者への問診により、さまざまなからだ全体の調子を聞いていく診断法。 切診 手で実際に患者の体に触れ、脈の打つ波形・強さを診たり、腹部の堅さを調べたりするなどして情報を収集する。西洋医学でいう触診にあたる。 四診の後、眼の周囲のツボにハリを刺す眼鍼療法を中心に施術しますが、症状と患者の敏感さによっていくつかの療法を併用することもあります。眼と関係がある足や手のツボを使ったハリ治療、症状によってはお灸や目のマッサージも積極的に行われます。 当院院では、眼科疾患のハリ治療には中国鍼を用いています。中国鍼の中でもおもに顔面のツボに使われる、最も細いハリが用いられます。目のまわりは、肩や腰などに比べて痛みを感じやすい部位だが、体質や敏感さに応じて刺激と手技を変えて治療を行っており、痛みを感じることはないです。 治療期間は、症状と病因によりますが、回復するまでには通常2〜3ヶ月を要します。視力が完全に落ちないうちに治療すれば、効果が出やすいです。
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雑誌・テレビなどに紹介された当院の眼科疾患の鍼灸治療
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